2010年11月04日
よしながふみ「愛すべき娘たち」
★★★★★
自分の本棚に一生置いておくだろうと思える作品に
また一つ出会えました。
いろいろな境遇の女性を描いた
よしながふみさんの短編集。
癌の手術が成功して帰ってきた母に
「これからは自分の好きに生きていくことにしたわ」と言われ
自分の知らない間に再婚していたことを告げられる娘の話。
いつまでも結婚しないことを不思議がられるほど綺麗で
「人を分け隔てることはしてはならない」という祖父からの教えを
ずっと守り続けている女性の話。
様々な切り口から
何人ものキャラクターとその周りの人々が描かれています。
これがとっても面白い。
私自身が女だから余計に面白いのかな。
「共感できた」というよりは
人の話を聞いて「そんなこともあるんだね。」
「せつないな。」「笑える。」って思う時と
似たような感覚を覚える作品です。
(なんだかうまく言えなくてとてもくやしい。)
「愛すべき娘たち」というタイトルも意味深。
読む度に作品中の自分らしく生きようとする女性たちが
愛おしく思えてきます。
よしながふみさん好きの友人がいて、
長編作品をいろいろと貸していただくことがありました。
今話題の「大奥」をはじめ、
「フラワー・オブ・ライフ」、「西洋骨董洋菓子店」に
現在連載中の「きのう何食べた?」まで。
その中でも一番好きだったのは「フラワー・オブ・ライフ」。
自身でも購入し、何度も読み返している作品です。
こちらも本当にオススメ。
それと同様に「愛すべき娘たち」も私にとって大事な作品になりました。
前述した有名な長編作品も面白いですが、
私はあえてこの作品をオススメしたいです。
・・・よしながふみさんと出会わせてくれた友人に感謝しています。☆
2010年08月16日
青桐ナツ「flat 1」
★★★★★
お菓子作り以外のことにはほとんど無頓着・無関心な
超マイペース高校生「平介」。
平介とは正反対の性格(超忍耐幼児)にも関わらず
何故か平介に懐いてしまった平介の従弟「秋(あっくん)」。
そんな2人の日常を綴った、心温まる物語です。
普段他人のことを全く気にしない平介でさえ気を使ってしまう程、
自分のことを優先しない無口なあっくん。
そんなあっくんとの触れ合いを通して
「超無気力男・平介」は他人に対する態度や姿勢を少しずつ気にし始めます。
(無気力すぎるところも彼の魅力ではあるのですが。)
口で直接言わずとも、
「平介が好き」という気持ちが全快のあっくんが
可愛くてたまりません。
あっくんを溺愛するお父さんや、
そんな姿を冷めた目で見ているあっくん母をはじめ、
サブキャラクターたちもいい味を出しています。
淡々とお話が進むので大きな衝撃などはありません。
ですが「読めば読むほど味が出る。」
そんな作品のような気がします。
第1話の平介が発したある言葉には
大抵の女子がきゅんきゅんしてしまうことでしょう。
(この漫画を貸した何人かの知人からも立証済み)
どの部分と言わずとも、きっと誰もが分かるはず。
現在3巻まで出ています。
(4巻も9/15に発売予定のようです。)
2巻に収録されている「ふゆめ」という短編もオススメ。
読む度にほっこりできるので、続きが楽しみな漫画の一つです。
2009年08月23日
中村ユキ「わが家の母はビョーキです」
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★★★★★
躁うつ病と並んで代表的な精神疾患で、
100人に1人の割合でかかり
患者数は75万人(ガンとほとんどかわらない患者数)を越えているという“統合失調症”。
脳の機能障害により、さまざまな刺激を伝え合う神経のネットワークに
トラブルが生じる病気だそうです。
そんな“トーシツ”が著者のお母様に発病したのが
母27歳、著者4歳の頃。
そこから始まったお母様の闘病生活と、
「患者の娘」という立場で病気と向き合うこととなった
著者の生活は壮絶なものでした。
一般的には幻聴が聞こえたり、
被害妄想が激しくなって感情が不安定になる。
思いもよらない奇異な行動を取る。
などといった症状が見られるそうなのですが、
著者の場合、お母様に包丁を向けられたこともあったそうです。
そんな生活が4歳の時に始まり
病気を理解できずに10年、誰にも相談できず不安を抱えて20年。
絶望的になったこともあったと書かれています。
・・とはいえ、そんな著者にも生活が一変する出来事があり、
いろいろありつつも今は楽しく生活できているそうです。
少し安心しました。
どんな病気であっても、身近な人間の理解を得て
自分も周りも充分に知識をもつこと。
また、少しでも身体に異常を感じたのならすぐに病院に行くこと。
早期治療が早期回復につながる、という一番大事なことも
あらためて学ぶことができました。
著者がこの本で描いているお母様の症状はほんの一例にすぎず、
人によっていろいろと症状が違ってくることは分かっていますが
“統合失調症”に触れたことのなかった私にとって
読んでよかったと思える本でした。
漫画なのでさらっと読めて分かりやすく、
何より伝わりやすいです。
病気を知ることのきっかけにもなれば、
同じ病気に悩んでいる方に何かしらの力を与えてくれる本だと思いました。
(通院医療費の軽減手引きや著者が障害年金申請で気をつけてることも載っているので)
一度手に取ってみることをオススメします。
2009年08月06日
有川浩「別冊 図書館戦争 U」
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★★★★☆
ーーーつくづくお前ら人の予想の斜め上を行くよな。
勝手にシアワセになってください。
あとがきより抜粋。
好きなキャラクターたちの幸せそうな姿を見ると、
なんだかこちらもほっこりします。
別冊 図書館戦争 Tが素晴らしく甘々でしたので、
こちらももしや?と身構えて読み始めたものの
前作ほどではありませんでした。
緒形副隊長の切ない恋のお話から始まり、
堂上教官から郁へ語られる、堂上&小牧の昔話。
そして結局どうなるんだこの2人は。と、微妙な関係にあった
手塚と柴崎のことがメインで描かれています。
・・私は強い女の子によく惹かれたりするのですが、
図書館シリーズでは郁や折口さんの次に柴崎。という順で好きでした。
でも今作で見事にヤラレた。
とっても可愛いんです、柴崎が。
もう柴崎に★4つです。
ここからネタバレ含みます。
↓
つづきを読む
2009年07月18日
南Q太「今日も夫婦やってます」
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★★★★☆
漫画家南Q太さんのエッセイ集。
webで連載していたものを本にしたそうです。
著者が描かれている漫画は短編を何作か読んだ程度ですが、
あまり好みではなかった記憶があります。
ですがこの本は面白かった。
3度目の結婚相手との生活。(相手は2度目)
さらにお互い連れ子あり。
読み始めたころは「あれ?また離婚するのか?」と思えるくらい
家族の雲行きが怪しいのですが、
じょじょに小さな幸せを感じたエピソードなどが盛り込まれてきたりして
微笑ましくなってきたり。
他人と暮らすのだから不平不満がでてくるのはしょうがない。
実際南Q太さんも旦那様に抱いた不満などを正直に書いています。
(義父母のことや旦那と旦那の元奥様とのこととかも。)
淡々と綴られてはいるものの、そこまで書いていいのか?と思えるほどに
思ったことや感じたことをスパッとそのまま書いているような文章は、
たとえそれが誰かへ向けた鋭い批判であっても読んでいて嫌な気持ちになりません。
ちょっとした書き下ろし4コマも何ページがあり、
小さなイラストもお話毎に入っています。
著者のファンではなくても楽しめるのではないかと。
まあ人の結婚生活なんて興味ない。って方は読まない方がいいと思われますが。
さらっと読めるし、なかなかに楽しいエッセイ。★4つ。
2009年07月01日
角田光代「八日目の蝉」
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逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。
★★★★☆
母親になること。生きるということ。
いろいろと考えさせられました。
なにがその子どもにとって最善か。
恨むべくは一番“母親”だったあの人なのか。
八日目の蝉はその先になにを見るのか。
思いのほか早く読み終えられたのは
登場人物の行く末を早くに見たかったからかもしれません。
希和子の行動には無理なところがあったにせよ、
何故か嫌いにはなれなかった。
・・この作品を読んで“母親”について考えさせられたとともに、
“子ども”についてもあらためて考えさせられました。
私自身、出産を経験している訳ではないけれど、
やっぱり子どもには望まれて生まれてきてほしい、と思わずにはいられません。
たとえ望まれて生まれてきてもうまくいかないことだってあると思うし、
なあなあで生まれてきてそれが幸せにつながることもあるかもしれないけれど、
そうでないこともきっとあると思うから。
以前飲みの席で「時効だから〜」と、過去に堕胎したことを
何でもないことのように話す女性には激しく嫌悪感を抱いたものです。
(飲みの席とはいえ、その人は下戸で素面。)
そうするしかない時だって、時にはあるとは思う。
それでも、何でもないことになんて決してなりえない。
・・・作品の話からは少しズレましたが、
今を生きている子どもたちにはあたりまえに愛されてほしい、と切に願います。
2009年06月30日
板尾創路「板尾日記3」
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★★★☆☆
今回はなんといっても愛娘であるピッピちゃんの登場が大きなポイント。
(※ピッピ=お腹にいる頃から呼んでいたあだ名。いつからか奥様がそう呼びはじめた。)
板尾日記・板尾日記2を読んだときは
発売当初に付いていた帯にヤラれてしまって即刻手に取ったのですが、
板尾日記3の帯には正直ピンとこなくて
発売から随分遅れて読むことになってしまいました。
でもまあ読んでよかったかな。
娘さんがまだお腹の中にいるときに
今、嫁の体の中には心臓が2つある。なんてめでたい超現実なんだろう。
絵心があったら絵にしてみたいほどだ。
と喜びを表現していたり。
ベビーカーを探していたときに、
「赤ちゃんに優しいはママにうれしい」というキャッチコピーが付いていた。
何でママだけやねん?パパもうれしいやろ!
とツッコんでいたり。
なんだかほんわかするような内容でした。
写真を梅佳代が担当しているのにもビックリ。
指名して撮ってもらったのかどうなのか・・
彼女が撮る写真はやっぱり他のものとはほんの少し違う気がする。
・・扉写真の鏡に映っている女性も気になるところ。
もしかして奥さん?
なにはともあれ、板尾さん。
家族3人(これからもっと増えたりするのかな)お幸せに〜^^
+++++++++++++++++++++++++
追記。
急にこの記事のアクセス数が増えていた為
なにがあったのかと検索したところ、
ピッピちゃんが8月17日に原因不明のまま亡くなられていたことを知りました。
ショックです。
わずか1歳10か月という若さでこの世を去ってしまったという事実に
とても胸が痛みます。
本書で書かれている
ピッピちゃんを囲んでの家族の風景はとても温かいものでした。
子どもを亡くすということがどれほどの痛みを伴うかは、
当人にしか分かり得ないことだと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。
2009年06月21日
有川浩「別冊 図書館戦争 T」
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★★★★☆
今まで図書館シリーズは★3つに留めていたけれど
今回の郁と堂上バカップルにはもう★4つ。
ほーんと可愛いなあ、このお二人は。笑
・・甘い甘いと前情報を得ていたので、
実際読んでみて「うわ、甘っ!!」と
拒絶反応を起こす。ってなことにはなりませんでした。
でもほんとあまーいです。図書館シリーズの中では一番の糖度なのでは?
図書館革命のエピローグで急展開を見せてくれたあの二人。
本作ではその急展開にいたるまでの経緯が描かれています。
付き合いだしてから更に
ツンデレのデレを連発する堂上教官にはほんと参りました。
肩にまつわる騒動では笑わずにはいられなかったし、
(ここらへんは家で読む事をオススメします。普通に吹く。)
堂上家族が出てくるのも今作の一つの見所。
さてさて。図書館シリーズも残るところあと一冊。
柴崎と手塚の少しずつ縮まっていっている距離もどうなることやら・・
別冊図書館戦争Uも期待大。











